夏の京都2〜食べ物編2012年09月03日 08:40


みな月

帰りは、南座の並びにある和菓子屋さんで「みな月」を購入。京都では1年の折り返しにあたる6月30日に、このお菓子を食べる習慣があるとか。半年間の厄を祓い、残り半年の無病息災を祈るのだそうです。三角形のういろうは氷を表し、上に載っかっている小豆には悪魔払いの意味がこめられているらしいです。

志んこ

「志んこ」も初めて食べました。お団子とういろうの中間のモチモチした食感。シンプルな甘みが美味しいですね。街の和菓子屋さんっぽい風情に惹かれて入ったのですが、後で調べたら祇園饅頭というお店で、文政年間創業の老舗(ってコトは約200年前?)でした。おばあちゃん2人の接客もはんなりといい感じだったなあ。

トマト蕎麦

夕飯はコミックで紹介されてたおうどん屋さんに行くつもりだったのに、なんとお休み! ガーン・・・定休日調べたのに(涙)。気を取り直して別のお蕎麦屋さんで夏のセットを注文。茄子の田楽と鯖寿司は食べたいけど、トマト蕎麦って…と思ったらコレがイケました! 酸味の効いたゴマ入りのお出汁がいい感じ。この夏、何回かマネしてつくってみましたが、なかなか美味しいです。

モーニング@小川珈琲

明朝は小川珈琲の系列店でモーニング。朝のメニューの多さにビックリ! パンや卵の組み合わせが微妙に違って、和食メニュー&朝カレーまで用意されているんですよ。朝食にも手を抜かない京都人のこだわりを感じました(笑)。次回はイノダコーヒーのモーニングが食べたいな♪ 

夏の京都1〜散策編2012年09月02日 17:20


八坂神社

7月の上旬、京都へ出張に行きました。春に訪問した時はマエノリできたのですが、今回は前日がどうしても空けられず、仕事が終わり次第の移動に。でも、夕方には到着できたので、四条河原町を散策してきました。

祇園祭って長ーいお祭りだったんですねえ。山鉾巡行の日だけでなく、ほぼ1カ月かけての行事だと初めて知りました。街のどこに行っても、コンコンチキチン、コンチキチン♪と祇園囃子が流れて、独得の風情がありました。あいにく、この日はなんにも行事がなかったんですが、とりあえず八坂神社にお詣り。

鴨川の岸辺

夏の鴨川、いいですねえ。川の岸辺にズラッと「床」が並ぶのは京都ならではですね。水量も多くて、涼しい風が吹いています。京都の夏は蒸し暑いと言いますが、風水をベースにできているから、無計画に開発して湾岸方面にどんどん高層ビルを建て、浜風を堰き止めている東京に比べて、風通しはずっといいんじゃない?と思いました。

東華菜館

レトロなたたずまいの東華菜館。建築好きなσ(^_^)としては、日本最古のエレベーターにも乗りたいし、ここの床か、ビアガーデンにゼヒ入りたかったのですが、1人で中華料理はちょっと…。今回は仕事仲間とも合流できなかったしなあ。でも、いつかきっとリベンジするぞ。

京都南座

建築物といえば、同じく鴨川の岸辺に立つ京都南座もいいですよねえ。大好きだった歌舞伎座が高層ビルにリニューアル中の今、この和洋折衷感はなおさら貴重に思えます。一度、ここで歌舞伎が見てみたい。どうかそれまで建て替えないでください!(続く)

春の京都2〜お丼 素麺 お鍋のお店 はしたて2012年04月07日 11:52


はしたて1

京都での食事は奇しくも、同じお店でとることになりました。ランチは大阪の知人と京都駅で待ち合わせ。10年越しのネット仲間と初対面できました。夜は仕事仲間のコピーライターMチャンと合流。旅先で一緒にゴハンするのって妙に楽しいですよね♪

そのお店はスバコ・ジェイアール京都伊勢丹3Fにある「はしたて」。構内からスグだからタイムロスがなく、意外と広いので穴場なんですよね。3年前に両親と来た時に初めてお世話になりました。しかも、こちらは和久傳の系列店。老舗料亭のお味が気軽にいただけます。

はしたて2

ランチは桜海老と鯛の飯蒸しのセット。にゅうめんと春野菜のおひたし、れんこんもちのデザートつきでした。10年来の話題が一気に炸裂して、すっかり長居してしまいました。

はしたて3

夜は一度食べてみたかった「煖々(だんだん)」というお鍋のコース。3種類から選べるのですが、黒毛和牛と春のお野菜、天然鯛と湯葉をチョイスしました。半円形の打ち出しのお鍋に張られたおだしが、とてもおいしく、そのままさっぱりといただけます。上品に見えますが、前菜(ホタルイカと湯葉)、お造り、お食事(ご飯・にゅうめん・素麺から選べます)、デザートと進むうちに思いのほか、お腹いっぱいになりました(^_^)

京都はやっぱりほうじ茶ですよね。何杯飲んでも負担にならない、やさしい味わい。Mちゃんのダンナは金沢出身なので、断然ほうじ茶派だそうです。ワタシは富山出身ですが、実家は緑茶が基本でした。微妙に違う東西の差も面白いですね。

春の京都1〜恵文社一乗寺店2012年04月06日 18:15


恵文社一乗寺店1

今週、仕事で京都に行きました。 最近は関西出張といっても日帰りばっかりで残念に思っていましたが、今回は遂にリベンジ! 前日入りできたので、ずっと行って見たかったブックストア、恵文社一乗寺店を見学してきました。

レトロなたたずまいも味がありますが、店内はゆっくりした時間が流れる居心地のいい空間。木製の本棚やテーブル、箱にさりげなく並べられた本たちが、いい感じでスタンバイしています。自然光を取り入れた暗めの照明も落ち着きますね。

特徴的なのは本の陳列方法。 単行本や文庫、雑誌といった分類ではなく、出版社別、作家の五十音順でもなく、ジャンルがゆるやかにグラデーションしながら並べられているので、「あ、こんな本もあったのね」という発見があります。そう、ココは本との出逢いをつくる本屋さんなんですね。丸の内オアゾの丸善内にある松丸本舗青山ブックセンター今泉棚があった頃のリブロ、詩集の専門店ぽえむ・ぱろうるetc.と相通じるところがありながらも、とんがったトコのないゆるい雰囲気がとても素敵です。

久しぶりに、本好きな本屋さんによる、本好きのためのお店に来たなあ…と懐かしい気がしました。昔は規模に関わらず、そのお店独特のカラーがあって、本屋さんめぐりをするのが楽しかった。

恵文社の店内には雑貨コーナーやギャラリースペースが併設され、文房具やカード類も心引かれるものばかり。本棚と行ったり来たりしながら、ずっと滞在したくなる感じです。小さい頃は本屋さんに住みたいって考えていたっけ…なんてことも、思い出してしまいました。やっぱり本っていう媒体が好きだなあ。

恵文社一乗寺店2

しかし、一番ビックリしたのは、こんな素敵な書店が人通りの多い繁華街ではなく、なんの変哲もないフツーの町(すみません!)にあったことです。バス停から歩きながら「え、ココ?」と驚いてしまいました。ベビーカーや自転車が似合う、いわゆる町の本屋さんでもあるんです。 店長さんのインタビューによれば、周辺に芸術系の大学が多いエリアだそうですが、独自の品揃えとお店づくりで、全国の本好きが訪れるスポットになっていることに感動しました。

恵文社一乗寺店3

恵文社で買ってきたおみやげいろいろ。ブックカバーやしおりもいいでしょう。スタンプを押したクラフト紙の袋をマスキングテープで留めたラッピングもおしゃれです♪

夏の京都旅行7〜修学院離宮2009年10月02日 21:38

修学院離宮
最終日は洛北の修学院離宮へ。今度の旅行でちょっと失敗だったのは、中心部から遠い場所ばかりだったこと。この際、参観許可が必要な場所をまとめてまわっちゃおう!と思ったのですが、「離宮」だから効率よくはまわれない・・・ショッピングや食べ歩きはアキラメざるを得ませんでした。中でも修学院離宮は遠かった。温泉に惹かれて宿泊地を嵐山にしたので、京都を東西に横断する感じ。10時の参観に間に合うか、ひやひやしました。

さて、修学院離宮は、上・中・下、3つの離宮に分かれた非常にダイナミックな庭園です。各離宮の間には棚田や畑が広がり、松並木の道がそれぞれを結んでいます。というか、青々とした水田や野良仕事に励む人々も含めて景観を形づくっているんですよね。村の中にあるというより、村をも包括した大胆な構想。「借景」と呼ぶにはあまりにも壮大なスケールにまず驚かされます。

比叡山に至る山並みを眺め、成長する稲や畑の作物などを見ながら、行幸されたのでしょう。一応、離宮の敷地と周辺の敷地はわかれてはいます。職員さんからは、近隣のみなさまの「ご協力」を得て景観を守っているという説明があり、いちいち鍵で門をあけ、案内してくださるのですが、「近隣のみなさま」であれば、ある程度、自由に出入りできそうな雰囲気(^_^;) ひとまとまりの敷地として囲ってしまわず、人々の営みはそのままに3つの離宮を点在させるという発想がすごいなあと思いました。広大な敷地は約54万平方メートル。東京ドーム約12個分にあたるそうです。

参観のハイライトは、一番高い場所にある上離宮でした。比叡山からの流れを引き込んでつくった巨大な人工池の浴龍池(よくりゅうち)を三段の生け垣でせき止め、大刈込(おおかりこみ)とよばれる50種以上の植木をとりまぜた独特の垣根で覆っています。この池を見下ろす隣雲亭(京都市街が一望でき、本当に空に近い印象)からの眺望は、なんとダイナミックなことでしょう! 大土木工事によって実現したものですが、周囲の森や山々となんの違和感もなく、素晴らしいハーモニーを奏でています。

恥ずかしながら、今まで水面に映る風景の効果をあまり意識したことがありませんでした。池や湖は舟遊びをしたり、地形にアクセントをつけるためにあるという程度にしか認識していなかったのです。が、実際の風景が対称的に映り込むと、緻密に計算された庭園美がさらに引き立つという効果に初めて気づきました。浴龍池は、水面が鏡のような平面になるように、また、美しいさざ波が立つように、あえて浅くつくってあるそうです。池のほとりをめぐりながら、自然の風物を巧みに取り込んだ見事さ、おぼろに映る風景とのコントラストに目を見張りました。

しかし、修学院離宮は、足腰が達者でないとキツイですね。敷地が広いうえ、隣雲亭は京都タワーより高い場所にあるそうですから、昇り坂もかなり長い。桂離宮や大河内山荘も、飛び石を伝って進む箇所や幅の狭い急坂etc.が多く、それなりに健脚でないとつらいでしょう。7月の終わりという季節のせいもあると思いますが、実際、外国人のみなさまも含め、参観者は意外と若く、いつも両親が最年長(70代になったばかり)のようでした・・・今回のコースは、シルバー世代向けだと思いこんでいたのですが、元気なうちに連れて来られてよかった♪

ちなみに修学院離宮を造営した後水尾上皇は、ここが完成した60代半ば以降、公式記録に残るだけで30回以上、行幸されたそうです。しかも、輿などの乗り物は利用されず(地形的にも無理)、ご自身の足で散策を楽しまれたとか。85歳の長寿を全うされ、お子様は30人以上いらっしゃったとうかがいました。いやあ、風流もやっぱり体力ですねえ(^_^;)

しかし、今まで京都と言えば、神社仏閣中心の観光だったのですが、初めて王朝文化の粋をかいま見た気がします。さすが京都、千年の都です。四季折々の風物に親しむ伝統、雅で洗練された美意識は日本人が誇れるものですね。2泊3日でしたが、非常に充実した旅でした。

〈おまけ〉
帰りの新幹線に乗るため、京都駅構内を歩いていたら、皇宮警察による物々しい規制が・・・何事!?と一瞬、緊張しましたが、奈良の高校総体に向かう皇太子さまが到着されたのでした。至近距離でお見かけしたのは初めて。いい思い出になりました♪

写真左上:棚田や畑が広がる田園地帯に3つの離宮が配置されています。
写真右上:エリアごとに設けられた門。滅多に入れない場所に行くんだという期待感が高まります。
写真左中:各離宮をつなぐ松並木。結構、距離があり、昇り坂なのでハイキングコースのよう。
写真右中:水田にはみずみずしい稲が色鮮やかに成長していました。野良仕事をしている人もぽつぽつと。
写真左下:浴龍池を望む、お腰掛。水面に映る景色が美しいですね。英国のチャールズ皇太子&ダイアナ妃もお座りになったそうです。
写真右下:隣雲亭からの絶景。ここまで来ると眺望が急に開け、眼下に浴龍池、遠方に山々を望む壮大な風景が広がります。

☆宮内庁参観案内/修学院離宮
http://sankan.kunaicho.go.jp/guide/shugakuin.html