100歳詩集 逃げの一手2010年02月01日 17:51

100歳詩集 逃げの一手
「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」「ふしぎなポケット」で知られる、まど・みちおさんの詩集を2冊続けて読みました。まどさんは、昨年11月にお誕生日を迎え、100歳に。今も現役の詩人です。言葉のリズムを活かした、ふふっと笑えるユーモラスな作品の中には、こんな詩もありましたよ。

  天のほうそく
 
 天のほうそくはむげんにある
 このよは天のほうそくのほうこだ
 ほうこを あけるカギは
 このよでなにをするか なのだろう
 あけて でてきたものが
 かつてこのよになかったものであるとき
 天はほほえまれる
 いまこの一しゅんに
 このほしにいきる一つぶのわれらが
 そのものをどのようにつかいこなすかを
 みまもっていてくださりながらに
 
      (「100歳詩集 逃げの一手」より)

巻末には、まどさんの談話がおさめられていました。詩の中に逃げ込むことが私の生き方であり(タイトルはここから来ています)、自分を生かすことだった。だからこそ、マンネリズムにはおちいりたくない、「どんなにささやかでも新発見を書かなくてはいけないと思っています」と。

軽やかでみずみずしい100歳の境地。石川啄木は26歳、中原中也は30歳、宮沢賢治は37歳で亡くなりました。早世なイメージの強い詩人の中では、ダントツに長寿なこともまた、まどさんらしいと思えるのです。これからの作品も楽しみですね。

☆100歳詩集 逃げの一手(まど・みちお=著 小学館)
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☆のぼりくだりの…(まど・みちお=著 理論社)
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