執筆のきっかけは数年前にさかのぼります。ビジネス書の取材後、編集の方と書店に行き、「起業・フリーランス」コーナーを一緒に見ていた時、「立野井さん、フリー歴長いから何か書けるんじゃないですか?」と言われたのです。当時は「いやいや、私は成功事例じゃないから…」と苦笑していました。
しかし、その後、ノマドワーカー、クラウドソーシングのプチブームがあり、ワーカー登録のお誘いetc.が届くようになります。〝働き方改革〟の選択肢として、フリーランスというワークスタイルに期待が集まるにつれ、違和感を覚えるようになりました。世間が考えるワーカー像と、実際のフリー生活にはギャップがあるんじゃないか…と。
組織に所属せず、自分の才覚と価値観で生きていくには、それなりの覚悟と戦略が必要です。開業当初にフォーカスする本が多い中、〝生き残り〟をテーマにと考えたのはそのためです。企画書の仮タイトルは「20年生き残る!フリーランスの仕事術」でした。本書ではベテランの方3人のインタビューも掲載。20年というスパンの中でキャリアをどう築いてきたのか。具体的な事例をご紹介することに意味がある、と考えました。
背伸びすることなく、自然体で。実績をしっかり積みながら、したたかに。フリーランスとして生き残っていくノウハウが共有できればと思いました。興味を持っていただければ幸いです。
●会社に雇われずにフリーで働く! と決めたら読む本
著者:立野井一恵
価格:1500円+税
発売:2018年2月
[内 容]
組織に所属せず、自分の才覚と価値観で生きていくーーそれがフリーランスです。苦労や苦境を乗り越えて、生き残っていくためにはなにが必要なのか。リスクや漠然とした不安の対処法、仕事の獲得法、進め方etc.、フリー歴20年以上のベテランが伝授!
[目 次]
はじめに 会社に雇われない、人を雇わない、フリーランスという生き方
Chapter1 フリーランスのリスク
~会社員時代には気づかないリスクを押さえよう
・会社員とフリーランスの違いをしっかり自覚しよう
・身近にロールモデルがいないフリーランスの落とし穴
・プロジェクトが突然、打ち切りに! さあ、どうする? etc.
Chapter2 フリーランスのマネー管理
~売上げと経費のバランスを把握しよう
・売上げ=手取りではない。経費込みでの利益率を考える
・国民健康保険や国民年金、住民税の支払いは意外と大きい
・受注~納品~請求~入金が終わって初めて仕事が完結etc.
【ベテランにインタビュー1】1子育てのために自営の道を選んだ、イクメンの先駆け
Chapter3 フリーランスのブランディング
~選ばれる人になってコンスタントに受注する
・「自分が何屋なのか」を見える化しよう
・「守備範囲」と「強み」は実績をからめて伝える
・期待されているのは即戦力。依頼内容にあわせた実績をアピール etc.
Chapter4 フリーランスの営業術
~廃業を避けるにはリピート発注と新規開拓が欠かせない
・「仕事をください」と言うことが営業ではない
・リスク回避のために3つ以上の収入源を確保する
・レギュラーの仕事だけでスケジュールを埋めない etc.
【ベテランにインタビュー2】時代の先を見越して多彩な研修&講演活動を展開
Chapter5 フリーランスの人脈づくり
~人間関係のタコツボ化を避け、ネットワークを広げる
・今日は誰とも話してない! 意外に孤独なフリーランス生活
・同業者やフリーランス同士の情報交換は役に立つ
・1回だけの交流会より継続的な人間関係を構築しよう etc.
Chapter6 フリーランスのシフト力
~環境や年齢によって仕事のやり方を変えよう
・現状維持は、いずれジリ貧になると思ったほうがいい
・年を重ねるごとに年下の担当者との対応が増えてくる
・ライスワークを確保しながらライフワークも忘れない etc.
【ベテランにインタビュー3】独立系FPの立場を活かし、顧客視点のマネー教育を
おわりに 自由と責任が同居するフリーランス。自分で決められるから楽しい
(2018.2.14記。「最近の記事」に残るよう日づけを調整しています)
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