ロミーのフィルモグラフィ&「皇帝とわ・た・し」2010年03月24日 15:00

皇帝とわ・た・し
桜の開花情報が寄せられる季節になりました。
そして、ハッと気づけば・・・
ブログの更新を1カ月もしていませんでした(>_<)

その理由の1つは、昨年10月に立ち上げた、
ロミーブログのコンテンツを少し強化していたから。
今回、ロミー・シュナイダーの出演作品を7期に分けて紹介する
「フィルモグラフィ」をUPしました。
画像は比較的珍しいものを選び、動画の貼り方もようやく学習したので、
目で見て楽しいカテゴリになったかなと思います。
よろしければ、ご覧くださいませ。

☆ロミー・クレール・ド・ファム〜フィルモグラフィ
http://romy.officesasaki.net/?cid=9

なお、今週の金曜日、NHK-BS2で「皇帝とわ・た・し」という
ドイツで大ヒットしたアニメ映画が放映されます。
ハプスブルク帝国の皇帝フランツと
皇后エリザベートを主人公にしたコメディなんですが、
「ロミー・シュナイダー主演で知られる
 50年代の映画“プリンセス・シシー”の抱腹絶倒パロディ」
でもあります。
ハイビジョンで放送された時に見たんですが、ちょっとお色気路線で
ハリウッド映画を彷彿とさせるシーンが
あちこちにちりばめられた楽しい作品でした。(^_^) 
アニメ好き&映画好きは必見です!

☆アニメ映画「皇帝とわ・た・し」、NHK-BS2で放映
http://romy.officesasaki.net/?eid=44

シャネル&ストラヴィンスキー2010年01月26日 12:15

シャネル&ストラヴィンスキー
去年から公開が続いている、シャネルの映画第3彈を見ました。

☆シャネルの2つの映画
http://officesasaki.asablo.jp/blog/2009/09/22/4592526

前2作の「ココ・ヴァン・シャネル」は、デザイナーとしてデビューするまでを、「ココ・シャネル」は、戦後の復活と最愛の人ボーイとの悲しい別れを描いていましたが、「シャネル&ストラヴィンスキー」は、第一次大戦前後の時代が舞台。香水“シャネルNo.5”の開発と、作曲家ストラヴィンスキーとの恋を軸に展開していきます。

ストラヴィンスキーといえば、「火の鳥」「ペトリューシュカ」「春の祭典」のバレエ音楽etc.で知られる“不協和音の天才”。映画は「春の祭典」初演が失敗に終わったところからスタートします。伝説のダンサー、ニジンスキーの大胆な振り付けもあり、優雅で華やかなバレエの世界を期待してきた観客は、音楽にも踊りにも怒声を浴びせて席を立ち、会場は大混乱に陥ります。その中で新しい芸術に理解を示し、不敵に微笑むシャネル。

その後、ロシア革命をはさんで家族と亡命してきた失意のストラヴィンスキーに、シャネルは援助の手を差し伸べます。郊外の別荘を一家に提供し、生活をともにするようになる。2人が恋に落ちるのは時間の問題でした。

一つ屋根の下に暮らす妻に悟られ、苦悩するストラヴィンスキーに比べ、モラルを超越したシャネルの毅然とした姿があっぱれです。インスピレーションを受ける相手に惹かれ、刺激を与え合うことを恐れない。

主演のアナ・ムグラリスは、目力が強い意志的な顔立ちで、実際のシャネルはこんな人だったのだろうと思わせるに十分な貫禄です。さすが、現役のシャネルのミューズだけあって(香水と時計のイメージキャラクターを務めているそう)、当時を再現した衣裳の着こなしが見事です。細く長い首、脂肪のない鎖骨や肩甲骨。体型的にもシャネルの雰囲気にぴったりで、くわえタバコで仮縫いをし、ポケットに手を入れて(女性の服に初めてポケットをつけたのもシャネルだそうです)さっそうと歩く姿もサマになって、個人的にはやせぎすタイプが好きではない私も美しいと思いました。

3作の中では、もっともファッショナブルな映画ですね。香水誕生のエピソードがあっさりしていて若干物足りないのですが、2人の才能がぶつかりあい、火花が散る恋愛ドラマとしては見ごたえがありました。

☆映画「シャネル&ストラヴィンスキー」公式サイト
http://www.chanel-movie.com/
監督/ヤン・クーネン
出演/アナ・ムグラリス、マッツ・ミケルセンほか
フランス/2009年/119分
2010年1月より、全国ロードショー開催中!

〈追記〉
Bunkamuraのトークイベントのレポート(ゲストは評論家の秦早穂子さん)が下記にUPされています。ご興味ある方はこちらもどうぞ。(2010.2.22)
http://blue.tricorn.net/bunkamua/j.x?v=3566&u=53244

イングロリアス・バスターズ2009年11月26日 19:03

イングロリアス・バスターズ
三連休の最終日に「イングロリアス・バスターズ」を見てきました。
ハリウッド映画はあんまり見ないほうなのですけど、
ロミー・シュナイダーが出演した映画「追想」が
「イングロ〜」の元ネタの1つと知ってから、楽しみにしていました。

☆「イングロリアス・バスターズ」と「追想」(別ブログの記事です)
http://romy.officesasaki.net/?eid=17

家族を皆殺しにされ、1人生き残ったユダヤ女性の復讐劇と
アメリカ群の特殊部隊、
ナチ・バスターズの動きが集約されていくところが痛快で、
結構、長い映画(152分)なのに全然、飽きずに見られました。

登場人物がそれぞれフランス語とドイツ語と英語をしゃべっていて
ちゃんと○○人らしく見えるうえに、言語が伏線になって
虚々実々の駆け引きを展開していくところが、ジツに素晴らしい!
結末は史実に沿ってませんが、それ以外はかなり綿密に
第二次世界大戦中の雰囲気を出してるな〜と感心しました。

バスターズの親玉、レイン中尉を演じた
ブラッド・ピットもノリノリでいい味でしたが、
ナチ将校をいやらしく演じたクリストフ・ヴァルツがよかった。
お気に入りのダニエル・ブリュールを久々に見られたのも満足でした。
(ウカツにも出演しているのを知らなかったので)

「おもしろくなければ全額返金」キャンペーン中でしたが、
途中で出た人はいなかったんじゃないかな〜(^_^;) 
ご興味ある方は、関連ニュースがUPされている「シネマぴあ」もどうぞ。

☆シネマぴあ「イングロリアス・バスターズ」
http://www.pia.co.jp/cinemaw/detail/151038.jsp#photo

☆映画「イングロリアス・バスターズ」公式サイト
http://i-basterds.com/
監督/クエンティン・タランティーノ
出演/ブラッド・ピット、メラニー・ロラン、クリストフ・ヴァルツほか
アメリカ/2009年/152分
2009年11月より、全国ロードショー開催中!

アニエスの浜辺2009年09月23日 23:50

アニエスの浜辺
先日、「アニエスの浜辺」の試写会に行ってきました。「ヌーベル・バーグの母」とも呼ばれる映画作家、アニエス・ヴァルダの自伝的ドキュメンタリーです。

案内状を見た時、「えっ、まだご存命だったの?」と失礼極まりない反応をしてしまったのですが、81歳の今なお、創作意欲は衰えず。レニ・リーフェンシュタール亡き現在、世界最高齢の女性監督でしょう。

彼女の人生を彩ってきたベルギー、フランス、アメリカ西海岸の浜辺を巡る旅を思い立ったアニエス。回想の中で紡がれる思い出の数々は、個人的なメモリアルを超え、現代史、映画史そのもの。カメラマン出身らしい美しい映像で描き出されます。

彼女自身の生い立ち、創作活動の中で出会った大勢の映画人たち。「シェルブールの雨傘」「ロシュフォールの恋人たち」などミュージカル映画の名作をつくった亡き夫、ジャック・ドゥミとの生活。不治の病に倒れた彼の不在を嘆き、涙ぐむアニエスの姿は一人の女性としてのチャーミングさが漂います。

しかし、アーティストとしては、今なお現役、これからも現役。長いキャリアを持つ大人の女性の風格を漂わせながらもキュートで、若いスタッフの心をつかむ、みずみずしい感性とユーモアはさすがです! フランスにはシャネルやジャンヌ・モローなど、年齢を重ねても魅力を失わず、エレガントで男前な女性がたくさんいますね。足元にもおよぴませんが、心意気だけでも見習いたいものだ・・・と思います(^_^;) 

☆特集上映「アニエス・ヴァルダの世界」
http://www.iwanami-hall.com/contents/special/special.html
9月26日〜10月9日、岩波ホールにて開催!
(アニエスと夫ジャック・ドゥミの7作品を上映。東京日仏学院に続く第2部です)

☆映画「アニエスの浜辺」
http://www.zaziefilms.com/beaches/
監督・脚本/アニエス・ヴァルダ
出演/ジャック・ドゥミ、ジャン=リュック・ゴダール、ジェーン・バーキンほか
フランス/2008年/113分
10月10日(土)より、岩波ホールでロードショー!

シャネルの2つの映画2009年09月22日 23:08

シャネルの2つの映画
シャネルの映画を続けて2本見ました。しかし、経済的にも雰囲気的にも好み的にもまったく無理なので、シャネラーではございません。念のため(^_^;) 

オドリィ・トトゥ主演(「アメリ」の女の子がすっかり大人の女性に!)の「ココ・アヴァン・シャネル」は、若き日のシャネルの物語。財産も教育もない孤児の彼女がデザイナーとして自立していくまでを描いています。シャーリー・マクレーン主演の「ココ・シャネル」は、15年の沈黙を経て70歳にして復帰。その最初のコレクションが不評に終わるなか、過去を回想するところからスタートします。エピソードが重なりつつも、アプローチが全然違うので両方楽しめました。

「アヴァン〜」のほうは孤児院で育ったシャネルの不幸な生い立ち、上流階級の愛人に冷たい仕打ちを受けながらも、才能と機知とセンスで切り込んでいく姿が痛快です。コルセットで身体を締め上げ、装飾の多いドレスをまとうのが当然だった時代。シャネルが提唱したシンプルでラクに着られるモードがいかに斬新で鮮烈なメッセージを放っていたことか! ファッションとは主張であり、個性であり、生き方であるとことがよくわかります。

シャネルはかなり痩せた人だったので、当時の服装が似合わなかったせいもあるのでしょう。しかし、紳士物の生地でつくったジャケットやドレス、ゆったりした部屋着でもあるパジャマ、漁師の服から着想を得たマリンルックなど、定番スタイルの数々がシャネルによるものだと初めて知りました。主演のトトゥがこれまた、その手の服がハッとするほど似合うんですよね〜強い意志を秘めた彼女の眼差しにホレボレしてしまいました。

「ココ・シャネル」では、帽子デザイナーとしての出発、着心地のいいジャージー素材を使ったスポーツウェアなどで支持を集めていくプロセスも描かれていました。酷評された最初のコレクションの失敗にめげず、不屈の闘志を燃やすシャネル。今では誰もが知るシャネル・スーツを中心にした復帰2回目のコレクションは、とても素敵で見とれてしまいます・・・現代でもまったく古びない究極のエレガンスはやっぱりさすが! 彼女の晩年までの生涯を知りたい方にはこちらがおすすめですね。

しかし、ココ・シャネルという人は自分の美意識と才能を貫いた、すごい女性だったのですね。世界的な成功と華麗な人脈の影に隠れた、哀しい生い立ちと愛する人との別れ。まさにドラマティックな人生です。彼女をテーマにした映画や舞台が続々と登場するのも納得。来春にはなんと下記の映画も公開されるそうです。

☆映画「シャネル&ストラヴィンスキー」
http://chanel-movie.com/
(公式サイトなのにまだトップページだけ・・・)
http://www.bunkamura.co.jp/cinema/lineup/index.html
(ずずっと下にスクロールしてください。2010年お正月第2弾ロードショー予定)

☆映画「ココ・アヴァン・シャネル」公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/cocoavantchanel/
監督/アンヌ・フォンテーヌ
原作/エドモンド・シャルル=ルー
出演/オドレイ・トトゥ、ブノワ・ボールブールド、マリー・ジランほか
フランス/2009年/110分
丸の内ピカデリーほか、全国ロードショー!

☆映画「ココ・シャネル」公式サイト
http://coco-chanel-movie.jp
監督/クリスチャン・デュゲイ
出演/シャーリー・マクレーン、バルボラ・ボブローヴァほか
アメリカ・フランス・イタリア/2008年/138分
Bunkamuraル・シネマほか、全国ロードショー!