古代ロマン〜和同開珎 ― 2008年08月31日 12:02
秩父鉄道に「和銅黒谷(わどうくろや)」という駅があるのをご存じですか。私自身、「あれ、こんな駅名あったっけ?」と不思議に思っていたら、今年は和銅献上1300年にあたるそうで、その記念に今春から駅名を改称。単なる「黒谷」から「和銅」付きに変わっていました。
つまり、秩父で発見された銅が、和同開珎鋳造に結びついていたんですね〜全然知らなかった・・・そもそも和銅=国産の銅を意味することすら、認識していませんでした。
金銀をはじめ、当時の鉱物はすべて輸入だったとか。国内で銅の鉱脈が見つかったのは、非常に画期的な出来事だったんですね。純度の高い自然銅が大量に出たため、元明天皇(女帝ですね)以下大喜びで、お祝いに「和銅」と改元までするほどの大事件でした。
その後の聖武天皇の大仏建立とかも、国内から銅が出たからなんだろうな・・・と想像されて驚きました。確かにあんな大きな建造物の材料を全部輸入していたら、大変ですものね。
しかも、鉱物の発見には渡来人の方々の貢献も大きかったようです。西武池袋線に「高麗(こま)」という駅があって、それも不思議だったのですが、大陸からの移住者がたくさん住んでいた地域なのだそうです。渡来人というと、近畿以西というイメージがあったのですが、祖国の争乱を避けて来日した人々は古代から全国に散らばっていたんですね。
和銅遺跡のコースもちょこっと歩きました。渓流沿いに銅を掘った後が残っています。はるか1000年以上前、キラキラ光る鉱物に歓喜した古代の人々。武蔵国・秩父からはるばる大和朝廷へ献上された銅。朝鮮半島から遠く海を渡ってきた人たち。思いをはせる発見がいろいろあって、悠久のロマンを感じてしまいました(^_^)
写真上:山中に突如あらわれる和同開珎のモニュメント。結構、デカイです。
写真下:レトロなたたずまいの和銅黒谷の駅舎。
☆「和同開珎」ホームページ
http://www.chichibu.co.jp/~wado/
富本銭の大量出土で日本最古の定義が微妙のようですが、天皇のお墨付きがあり、広範囲に使われた流通貨幣としては一番古いみたいですね。
最近のコメント