夏の京都旅行4〜桂離宮2009年09月29日 23:53

桂離宮
今回の旅の一番の目的は桂離宮でした。今は亡き祖母が訪れ、ものすごく感動して帰ってきて以来、機会があれはゼヒと言っていたため、母がずっと行きたがっていたのです。ところが、本人がここ数年、体調を崩しがちでなかなか予定が立たず・・・しかも、桂離宮は人気があって3カ月前から申し込まないと、あっという間に受付終了になってしまうのですよね〜。3年越しぐらいでやっと実現しました。

真夏の京都、しかも屋外。大丈夫か?と心配でしたが、長梅雨だったせいでそれほど暑くもなく、湿り気を含んだ苔がしっとりあざやかでとても綺麗でした。

いやあ、桂離宮、ホントに素晴らしかったです。日本最高級の庭園と言われるのがよくわかりました。街中にある仙洞御所に比べてはるかに広く、変化に富んでいます。文字通り「格」が違うというか・・・面積的に広いだけではなく、卓越した美意識で統一され、次々と展開する風景すべてが本当に美しい。

室内の趣向も見事で、もっとも有名な市松模様のふすまがある松琴亭がやはり圧巻でした。今見てもモダンですし、池の向こう岸からもはっきりわかります。つまり、遠景として見た時も含めて綿密に計算されている。どの角度から見ても植栽や背景と調和するよう、つくりあげられたのが実感としてわかりました。散策しているうちに、すがすがしい気分になってきます。

西洋の庭園は、どちらかと言えば自然を屈服させた人工美という印象が強く、建物もいばっている感じがしますけど、日本庭園の場合は周囲と溶け込み、一幅の絵のように構成されているのですよね。一見、自然のままのようで、四季のうつろいや視界の広がりを考えた絶妙なバランス。また、四季折々で見所が違い、どの季節とも調和するようにできてるんですよね。仲秋の名月を眺め、暑い季節には水辺で憩い、紅葉や雪ではまた趣が変わる。なんて贅沢なことでしょう!

しかも、たたずまいはあくまでシンプルなんですよねえ。過剰な装飾を排除した、無駄のない美しさ。感動。まさに「国の宝」ですね。今回も外国の方が多かったのですが、「どう、スゴイでしょ」と胸を張りたくなりました(^_^)

写真左上:総面積は東京ドームの約1.5倍。趣の違う茶室etc.が点在しています。
写真右上:向こう岸から見た松琴亭。水面に映る姿も美しいですね。
写真左下:松琴亭の室内。藍色(薄くなってますが)の市松模様がモダン。
写真右下:腰板にビロードを貼った凝った趣向。窓の外に広がる風景も含めてインテリアなんですよね。

☆宮内庁参観案内/桂離宮
http://sankan.kunaicho.go.jp/guide/katsura.html