お茶道具の形見分け2010年01月27日 19:12

形見分けのお茶道具
学生時代から十数年、友人と一緒に茶道を習っていました。結局、着物は1人で着られないし、美しい所作や立ち居ふるまいは身につきませんでしたが、たま〜に抹茶を点てることがあります。お茶が出るお席でも動揺せず、お盆点前ぐらいなら今でもなんとかイケる・・・かな。

習っていた先生が引退されて以来、茶道からは足が遠のいていましたが、先日、お茶道具を受け取りました。昨年の夏、先生が亡くなられ、弟さんが「ゆかりのあった方々に使っていただけたら」と送ってくださったのです。亡くなられたご主人と2人暮らしだった先生は献体の手続きをされていたのでご葬儀もなく、弔問にもうかがえず、淋しく思っていたところでした。

包みをひとつずつ開けていくと、お茶碗、茶杓、ふくさ、菓子鉢・・・お稽古の時に使っていた見覚えのある品が次々に出てきて、胸がいっぱいになりました。懐かしい日々が一気に蘇ってきた感じです。

私たちは晩年の弟子でしたが、お茶会やお懐石にもたくさん連れていっていただき、末席ながらお茶会にも出て、今思えば貴重な経験をたくさんさせてくださったんだなあと思います。機会がなければ、なかなかできないことですもの。しかし、若い頃は本当に無知なもので、お稽古を面倒に感じて、なにかと理由をつけてはサボろうとしたり・・・ああ、なんであの時、着つけをちゃんと習っておかなかったのでしょうか(>_<)

先生は毅然としたところがありながらも、愛嬌のある楽しい人で、茶道と和歌両方の素養からくる美意識を大切にした“明治の女”でした。情の濃い方(ご主人には家庭があり、駆け落ち同然のスタートだったと後に知りました)で、ダンナ様にも弟子にも愛情いっぱいだったなあ。着物を粋にお召しになり、背筋がピンと伸びた元気な頃のお姿が今もありありと浮かびます。先生とのご縁に感謝しつつ、大切に使わせていただこうと思います。

写真:向こうから順に、竹の花入れ、夏茶碗、茶碗、菓子鉢、香炉、なつめ、蓋置、茶筅、茶杓、古袱紗。本当に懐かしい品々ばかりでした。

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