No Man’s Land2010年01月24日 11:11

No Man’s Land
在日フランス大使館旧庁舎で開かれているアートイベント「No Man’s Land」に行ってきました。取り壊しの決まった建物を開放、日仏のアーティストの作品で覆い尽くしちゃう大胆なイベントです。

到着すると、ダンボールでできた黒い門がお出迎え。壁にもペイントがしてあって、一言で言えば学園祭のノリです。2棟ある建物のほぼすべての部屋に現代アートの作品が展示してあって、その多彩な表現とボリュームには圧倒されました。オブジェや映像、香りや動きを使ったものなど実験的な作品も多く、とても楽しいひとときが過ごせました。

しかし、建築好きなσ(^_^)としては、大使館の庁舎そのものが興味深かったです。旧庁舎は1950年代に建てられたもので、当時は大使館らしからぬ機能的でモダンな建物として話題を集めたそうです。展示にあたり、かなり変更が加えられているものの、陽当たりのいい空間や、キャビネット類などビルトイン収納の多いオフィスの面影が濃厚に残っていて、懐かしいセントラルヒーティングの設備や担当者の名前が書かれたままのドアetc.を喜んでみてしまいました。一昔前の病院や学校を思わせる空間構成です。

部屋数が多いのにもビックリ。屋上テラスには土が入っていて、屋上緑化の先駆けだなあ〜とか、一番広い角部屋は大使の執務室かなとか見て歩くのも楽しかった。日本なのに確かにフランス。外国文化の気配が立ちこめています。徳川伯爵のお屋敷があった場所だそうで敷地も広く、都心とは思えない緑豊かなロケーションもステキでした。

今後は完全に撤去され、集合住宅になってしまうとか。新庁舎が立派に完成してるし、これも時代の流れなんでしょうけど、なんだかもったいないですね・・・しかし、なかなか行く機会のない大使館を思う存分、探検できる貴重な体験でした(^_^)

写真左:入口に設置された凱旋門風の作品。ダンボールとは思えないしっかりした造りでした。
写真右上:庁舎のエントランス。手前にあるプジョーの車もアートの一部です。
写真右下:日本の男の子が書いた漢字をそのままネオンアートにしたフランス人作家の作品。

☆No Man’s Land (ノーマンズ ランド)
http://www.ambafrance-jp.org/spip.php?article3719
在日フランス大使館旧庁舎にて、1月31日まで開催中(入場無料)。
木曜〜日曜のみ。木曜・日曜は午後6時、金曜・土曜は午後10時まで開館。

〈追記〉
開催期間の延長が決定したそうです!
会期は、2月18日(木)まで。
2月以降は、木曜〜日曜の午前10時から午後6時まで開館。
月曜〜水曜は休館です。(2010.1.28)