武相荘2009年05月30日 17:05

武相荘
だいぶ季節はずれのネタになってしまいましたが、先月、白洲次郎&正子夫妻の自宅「武相荘」に行ってきました。一度訪ねたいと思っているうちに、NHKのドラマが放送されてしまい・・・(>_<) やはりドラマを見てその気になっている両親と一緒に、混雑をカクゴで遠征してまいりました(結局、ミーハーな親子でございます)。

第二次世界大戦を前に疎開した「郊外」という印象が強かったのですが、最寄り駅の鶴川は新宿から小田急線で30分ぐらい。思いのほか近く、今や都心のベッドタウンですね。しかし、駅からてくてく歩いていくと、昔はのどかな田園地帯だったという面影が残り、気持ちのいい風景が広がります。

鶴川街道から少し入った、なだらかな丘の上に、武相荘はありました。風情ある長屋門を抜けると、古い農家を改築した母屋をはじめ、いくつかの建物が寄り添うように建っています。母屋はかなり広く、次郎自作のスタンドや家具、正子が愛用した着物や食器etc.がたくさん展示してありました。書物に埋もれるような正子の書斎も生前のまま。茅葺きの家ならではの落ち着いた雰囲気です。

上流階級出身で留学経験があり、相当ハイカラな夫妻だったわけですから、独特の趣味で統一された住まいや調度品は、見応えがありました。が、実際、訪ねてみて、ショックを受けたのも事実です。

というのも、正直言うと、行く前は和洋折衷の「おしゃれな古民家」を見物する気分だったのです。しかし・・・現地に行って、彼らのライフスタイルの本気度と筋金入りの美意識がよくわかりました。単なる土地家屋でなく、彼らは「住環境」そのものを楽しみながら、暮らしていたのだと。

次郎が耕作に励んだという田畑は、ほとんど残っていませんが、周囲には今でも十分、散策が楽しめる竹林や裏山が広がっています。庭と呼ぶにはあまりにも広大で、眺めがよく、自然の中に住まいがあるという感じです。四季折々ので変わる、花や緑や風や陽射し。季節の息吹が感じられ、心がのびのびとする穏やかな環境がそこにはありました。

しかし、夏は暑く、冬は寒く、自然の厳しさも身に染みたことでしょう。戦前から亡くなるまで、ここで暮らした正子はやっぱり相当、根性のある人ですね(^_^;) このところの白洲夫妻ブームで、時折、観光バスまで立ち寄るスポットになっているようですが、行ってよかった(平日だったし、遭遇は避けられました)。リタイヤしたら、田舎暮らしもいいなあ・・・かなわぬ夢ながら、そんなことも考えたのでした。

写真上左:白州邸の入口。正面奥が移築してきたという長屋門。
写真上右:茅葺き屋根の建物が母屋。手前はティールームになっています。
写真中左:竹林の緑がさわやか。風がひときわ爽快に思われます。
写真中右:母屋の裏手にある山。正子が朝晩、散策したそうです。
写真下左:大きな備前の壺に季節の花を飾るのが好きだったようです。
写真下中:郵便入れに使っていた臼。看板は次郎作。
写真下右:玄関。レトロな照明器具もいい感じでした。

☆旧白洲邸/武相荘(ぶあいそう)
http://www.buaiso.com/
武蔵と相模の中間だから・・・という洒落たネーミングです、

☆NHKドラマスペシャル「白洲次郎」
http://www.nhk.or.jp/drama/shirasujirou/
2回まで放送されたのに、最終回の3回目が8月なのはなぜなんでしょう?

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