マネー力2009年02月10日 10:38

マネー力
世界同時不況で、年が明けてから何かと暗い話題が続きますね。内定取り消し、派遣切り、そして正社員切りや賃金カットへ・・・(>_<) 不景気の波は、自動車業界から家電業界まで広がりつつあるようです。

去年の後半は景気がいいらしかったのに(実感はありませんが)、なぜ急にそうなっちゃったの? 他の国はどうなの? これからいったいどうなるの?と、シロウトにはわからないことだらけなので、大前研一氏の「マネー力」を読んでみました。う〜ん、景気の回復は当分、厳しそうですねえ・・・

実際の投資ノウハウを期待すると肩すかしを食うかもしれませんが、ドルとユーロの関係やお金の流れ、各国の人々のマネー感覚や対処法を俯瞰するには面白い本です。著者の幅広いネットワークと分析力・洞察力を活かした今度の見通しも興味深いですね。経済にうといσ(^_^)でもサラッと読めました。

ずいぶん前から言われていますが、もはや自分の才覚でなんとかするしかない時代に突入しているんですね。昔は定期預金にするだけで、利息が5%もついたのが夢のようです。ゼロ金利政策が続いて、金融機関はなんとか立ち直ったのかもしれないけど、結局、私たちが受け取るべき利息を突っ込んで、グローバル経済の荒波にもまれているだけ・・・自己責任だけがますます重くなってるんだと思うと、タメイキが出ます。

☆マネー力〜資産運用力を磨くのはいまがチャンス!(大前研一=著 PHPビジネス新書)
http://www.amazon.co.jp/dp/4569702562/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1234228150&sr=8-1
☆著者のコメント
http://www.php.co.jp/bizspecial/b-sin/coment.php#978-4-569-70256-8

アラビアのロレンス2009年02月11日 11:09

アラビアのロレンス
先週、新宿のタイムズスクエアで「アラビアのロレンス」を見ました。これはスクリーンで見るべき映画なのでは・・・と思っていたので、今まで一度も見たことがなかったのです。

部隊は、第一次世界大戦中のアラビア。トルコの圧政に苦しむアラブの人々に心を寄せる英国陸軍少尉のロレンスは、対立する部族を結束させ、大胆なゲリラ線を展開。近代兵器と先方を駆使して快進撃を続け、やがてアラビアのロレンスと呼ばれるようになるのですが・・・という物語です。

主演のピーター・オトゥールは軍服姿だと自信なさげなアウトサイダーなのに、アラブの民族衣裳をまとうと堂々とした風格があります。族長を演じるオマー・シャリフ(自由と独立を求める知性派)、アンソニー・クイン(勇猛だけど強欲な土俗派)もハマリ役でとてもよかったです。最初の戦闘でアカバという港を攻略するのですが、砂漠から街へそして海へと駆け抜けていくシーンは、まさに圧巻でした。

しかし! この映画の主役は、なんといっても砂漠です。冒頭で現地ガイドとともに、ロレンスがラクダに乗って(ラクダって「またがる」んじゃなくて、「座る」感じで乗るんですね。初めて知りました)。砂漠を横断します。360度見渡す限り続く砂の平原。ゆらめく陽炎。地平線のはるか彼方から何者かが近づいてくるシーンがジツに素晴らしい。豆粒のように小さい物体が近づいてきて、ようやく人だとわかるのですが、延々と時間をかけた長回しで撮ることで、砂漠の広さ・暑さ・厳しさ・美しさがストレートに伝わってきます。

そう、砂漠って美しいのですね。真っ平な場所、起伏の大きな場所、岩石がそそり立つ場所。厳しい環境だけれど、多彩なバリエーションがあり、自然の雄大さに打ちのめされます。そして、赤道に近い地では太陽も月も大きいんですよね〜。この大きな自然を舞台に部族だとか、国家だとかで小競り合いを繰り返している人間って・・・そのむなしさがしみじみと感じられます。映画の中に「砂は清潔」という言葉がありましたが、悠久の時を経て、ただ、そこにある砂のなんと美しいことか!

70mmフィルム(現在は35mm。70mmで回す技術も機材も既にないそう)で撮るにふさわしい圧倒的なスケール。動員・物量も半端じゃありませんが、現地ならではの迫力と撮影に賭ける根性がヒシヒシと伝わってくるホントにすごいロケです。「らしければいい」「ここはCGで」みたいなゴマカシが一切ない本物の素晴らしさ。なんだかスゴイもの見ちゃった・・・よいうのが率直な感想です。

インターミッションありの映画(前後編で227分!)も久々でしたが、「えっ、もう前編が終わっちゃったの!?」と驚くほど、長さを感じませんでした。機会があればスクリーンでゼヒ。

☆アラビアのロレンス 完全版
http://www.lawrenceofarabia.jp/
監督/デヴィッド・リーン
出演/ピーター・オトゥール、オマー・シャリフ、アンソニー・クインetc.
イギリス/1988年/227分(1962年版は207分)
第35回アカデミー賞7部門受賞
新宿テアトルタイムズスクエアにて、2月13日まで上映中

※アカデミー賞7部門受賞だけど、作品賞・監督賞・撮影賞・作曲賞・美術賞・音響賞・編集賞だけで、俳優はだれも受賞していない・・・やっぱり主役は「砂漠」だったのですね! 女性はチャドル姿の一群がチラッと映るだけ。どこまでいっても、男・おとこ・オトコばっかしなのもよかったですね(^_^)

この世でいちばん大事な「カネ」の話2009年02月13日 11:22

この世でいちばん大事な「カネ」の話
西原理恵子が好きです(^_^) 今回の本は漫画じゃなくて、「よりみちパン!セ」という中学生以上を対象にしたヤングアダルト向けシリーズの1冊ですが、傑作です! まず、常識を超えた長さの章タイトル(手で殴り書き)からして、秀逸。

第1章 どん底で息をし、どん底で眠っていた。「カネ」がないって、つまりはそういうことだった。 
第2章 自分で「カネ」を稼ぐということは、自由を手に入れるということだった。
第3章 ギャンブル、為替、そして借金。「カネ」を失うことで見えてくるもの。
第4章 自分探しの迷路は「カネ」という視点を持てばぶっちぎれる。
第5章 外に出て行くこと。「カネ」の向こう側へ行こうとすること。

要するに、青少年に向けて、働くこと、お金を稼ぐこと、自立することの大切さを説明している本なんですけど、サイバラの生い立ちがソーゼツで、上京後の「自分で食えるようになるまでの道のり」がめちゃくちゃリアルでわかりやすいので、非常に説得力があるのです。マネー教育とか自己実現なんて言葉をすっとばして、人生とカネの問題をこれでもか!というほど明快に教えてくれます。

でも、稼いでナンボ、身体張ってナンボっていう話に終わらずに、「好きなことで/お金かせいで/好きなごはん/毎日食べる」(2章がイイんだけど、この言葉が書かれたイラストつきのページがすごく好き♪)しあわせとか、地に足のついた金銭感覚の大切さとか、貧しさが次の世代にまで受け継がれていく悲惨さetc.にも触れています。

戦場カメラマンだった亡き夫の鴨ちゃんもサイバラも、アル中の父親を持っていて、おたがいがそこから抜けだしたかった。突撃取材で訪れたアジアの貧しい子どもたちに昔の自分を重ねあわせています。2人のライフストーリーもまた哀しくて・・・発展途上国にくらべれば、まだまだ豊かなニッポンだけど、貧困はすぐ身近にある。

サイバラって超現実主義の無頼派なクセに、人間がいくつになっても持っている(はずの)ピュアな部分を刺激してくるんですよね〜。世間の荒波にもまれてもすり切れない彼女の抒情にいつもグッときてしまいます。

鴨ちゃんの分も彼女は生きて、子どもたちが大きくなったら、世界のどん底にいる子どもたちのためになにかするんじゃないかなあ。感動したよ、サイバラ。共感するよ、サイバラ。アンタの仕事がもっと見たいよ、サイバラ。

これから社会に出て行く子どもたちだけじゃなく、ちょっとくたびれかけた大人にも読んでもらいたいな。元気が出るけど泣けちゃう、不思議な本だと思います。

☆この世でいちばん大事な「カネ」の話(西原理恵子=著 理論社)
出版社のPRサイト(立ち読みできます)
http://www.rironsha.co.jp/special/kane/index.html
アマゾン(カスタマーレビュー多数。最高傑作の声も)
http://www.amazon.co.jp/dp/4652078404/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1234342891&sr=8-1

チョコレートビール2009年02月15日 18:09

チョコレートビール/独歩
今年のバレンタインデーは週末だったので、チョコレート売場も心なしか閑散としていましたね。「本命」と「自分にごほうび」だけで、「義理」需要はかなり低かったのかも。景気のせいもあるのでしょうけど・・・

断然、辛党のダンナには、ここ数年、アルコール系ばかりになっています。せっかく買っても自分で食べるだけじゃ、張り合いがないんだも〜ん。

というわけで、今年はチョコレートのビールにしてみました。岡山の宮下酒造というメーカーの「独歩」という製品で、カカオ系とホワイトチョコの2種。味は・・・結構、イケました。甘くはなくて、そこはかとなくチョコの風味が漂う美味しい地ビールって感じ。意外と料理にもあいました。

「独歩」というネーミングは国木田独歩が由来かと思いきや、岡山出身ではありませんでした・・・独立独歩の個性あるビールという意味だそうです(^_^;) 

☆地ビール「独歩」(岡山・宮下酒造)
http://www.msb.co.jp/beer.php
豊富なラインアップがウリとか。地元の特産品であるマスカットやピーチ味もあるようです。

逆チョコ初体験2009年02月17日 10:47

ミッシェル・ショーダン
昨日は昨年秋から関わっていたカタログの打ち上げでした。CWはひと足お先に・・・なので、制作スタッフが集まるのは久しぶり。長丁場を乗り切った仕事仲間と会うのは楽しいですね(^_^)

しかもADのMさんが「オレがパッケージetc.をデザインした商品なんだけど」と、女性陣にパリのショコラティエ、ミッシェル・ショーダンのチョコレートを配ってくれました。おお、男性からの逆チョコ、初めてです! こういう気遣いがキザにならず、このタイミングでできちゃうのがさすがですね〜

というのもMさんは、彼が運転する車の助手席に誰が座るかで、会社の女の子たちがバトルを繰り広げていたという伝説のある人。現在もカッコよくて、いつもファッショナブル。一条ゆかりの漫画に出てくる登場人物みたい☆と思うのでした(一部の女子にしかピンとこない比喩ですみませんm(_._)m)

バレンタインも、女子の告白DAYから自分へのプレゼント、そして男性からあげてもいいじゃんとジワジワ変化してますが(チョコレート業界の陰謀?も貢献してます)、たとえ「義理」でも、やっぱりもらうとウレシイものですね。バレンタイン当日、ひそかに期待する男性の気持ちがちょっぴり理解できました。 

☆ミッシェル・ショーダン
http://www.michel-chaudun.jp/
3色のチョコがハート型のパズルになってます。お持ち帰り用のミニバッグも用意されてるのがニクイ(^_^;)